2024. 04/16
内定承諾率を上げる?学生との面談ですぐに使える「就活の軸を見つけるフレームワーク」
2024年3月時点での、2025年卒業予定の大学生・大学院生全体の内々定率は47.4%、前年比17.4pt増、
という調査結果が発表されました。(マイナビ社/2025年卒大学生活動実態調査(3月)より)
この調査結果から、新卒採用市場の早期化傾向が年々強まっていることが伺えます。
また、最近では母集団形成に苦戦されている企業様も多いのではないでしょうか。
弊社がお手伝いさせていただいている企業様からも、
「10年前に比べ、エントリー数が10分の1になっている」
「母集団形成施策に2倍投資しても母集団は2倍にならない」
といったお悩みを耳にすることが増えています。
このような現状への打開策として、もちろん母集団形成も重要ですが、
これからの新卒採用は「質」を上げていくこと、
つまり少ない母集団でも内定承諾率を上げていくことが採用成功の鍵となっていくと考えています。
今回は、そんな内定承諾率向上を目指す中で重要な
「内定者面談で、学生に入社を決断してもらう方法」についてご紹介いたします。
「就活の軸」を見つけることが重要な理由
内定承諾率を上げるには、内定付与前後の段階で、学生に強固な決断をしてもらうことが大切です。
それには、
「この会社で自分に何ができるか?」
「どのように影響力を発揮できるか?」
といったことを、 なるべく具体的にイメージさせることが必要です。
しかし、実際に働き始めてからの貢献イメージや影響力の発揮の仕方において、
魅力を感じるポイントは学生によって異なります。
そのため、学生に強固な決断をしてもらうためには、
学生がそれぞれ持っている「就活の軸」を明らかにし、
その軸と企業の情報を結びつける必要があります。
学生の「就活の軸」と企業の魅力、入社後のイメージがマッチすることで、
入社の意志が固まり、内定承諾率向上に繋がるのです。
以下では、「就活の軸を見つけるためのフレームワーク」を紹介いたします。
今後の内定者面談などにおいて、学生の目標や考えを整理するにあたり、ぜひ参考にしてください。
「就活の軸」を見つけるためのフレームワーク
1. 自分軸
自分にとってどのようなものが得られるか。
例:資格を取得し、専門性を身につけたい
2. 他者軸
他者に対してどのような影響を与えたいか。
例:目標に向かって頑張る人のサポートをしたい
3. 会社・組織軸
会社に対してどのような影響を与えたいか。
例:新規開拓することで会社の発展に貢献したい
4. 社会軸
社会に対してどのような影響を与えたいか。
例:廃棄物を削減することで、循環型社会の形成に寄与したい
ただし、上記4つの軸を全て持っている学生はなかなかいません。
いずれかの軸が強いなど、偏りがあるのが一般的です。
そのため、学生がどの観点から物事を考える癖があるのかを面談時にフィードバックしてあげると、
有効なコミュニケーションとなります。
もし軸に偏りがある場合は、4つの軸で就活の軸を整理した上で、
最も偏りがある軸に関する情報提供を行うと良いでしょう。
学生の就活の軸と企業が繋がることで、自然とその企業に対する志望度が向上し、
最終的な内定承諾率向上にも繋がっていきます。
まとめ
学生との接点が多い採用担当者様においては、まずはご自身が4つの軸のそれぞれに沿って、
自社の魅力を語れるようになることが理想的です。
そのための最初のステップとして、採用担当者様ご自身の入社理由を、
先にご紹介した4つの軸で整理してみることをおすすめします。
そうすることで、内定付与後の学生との面談において、
学生の就活の軸を整理したり、志望度を上げるための情報提供をしたりする訓練にもなります。
学生との面談でどのようなコミュニケーションを取るべきか悩んでいらっしゃる方は、
是非一度試してみてはいかがでしょうか。
河本 英之
シーズアンドグロース株式会社 代表取締役
2005年、株式会社リンクアンドモチベーションに入社。
採用戦略から組織人事領域に従事し、大手企業から中小企業まで幅広く500社以上の採用・育成コンサルティングを担当。
2010年7月、シーズアンドグロース株式会社を設立。
独自かつフルカスタマイズのプログラム作りで、多くの企業の新卒採用と人材育成を担当。
業界業種・企業規模問わず、数多くの企業様の新卒採用・人材育成をご支援させていただいた経験をもとに、経営者様・人事担当者様のお役に立つ情報をブログにてお届けしていきます。