課題を可視化することで広がった視界

エリジオン様は、3次元形状処理とデータ変換の技術をベースにして、主に製造業を中心に、さまざまなパッケージソフトウェアの企画・開発をされています。世界トップ水準の技術力で、国内外のものづくり企業をサポートされています。

今回は、新卒採用のインターンシップの企画・制作から始まり、組織課題の解決に向けて社内向けの研修のご支援もさせていただいているエリジオン様にお話を伺いました。

お取引のきっかけは、インターンシップを作りたいというご相談でしたね。ホームページを拝見し、かなり高度な技術・専門性をもつ企業様だという印象はありましたが、具体的な事業内容・仕事内容を理解するのに苦戦したのを覚えています。

そうでしたね。採用のお手伝いをしていただいたことがお取引のきっかけでした。学生さんになかなか伝わらなかった事業内容や当社の価値観を伝えたいという想いはありましたが、当時、採用において決定的な課題があったというわけではありませんでした。ただ、時代の変化に合わせて、当社としても採用に対する新たな考え方や手法を探り、変化していく必要があると感じていました。どのように変化すべきか考えていた際に、シーズアンドグロースさんが当社の経営層・社員へのヒアリングを通して現状を把握し、課題を可視化してくださいました。そして、一緒に課題解決の道筋を整理していくことになったのがお付き合いのスタートです。

会社として真に必要な人物像を、本気で考える。

採用活動に伴走いただく過程で、当社の在りたい姿、そして今当社に必要な人物像へと議論が及んでいきました。

当初、求める人物像として「数学やプログラミングが得意な人」という部分は明確でしたが、それはあくまで仕事をする上での手段ですので、どういった志向性・想いを持つ人材が必要かということを、深掘っていきました。

当社は「数学が好きです」「ソフトウェアの開発に興味があります」という人が集まりがちなのですが、実際はそれだけではなく、それらを駆使して新しい価値を生み出せる知性に期待しています。「世の中の課題を解決したい」という志を持ち、実現に向けて努力できる人材の要件を検討し、求める人物像を再構築していきました。そして採用時点での求める人物像のお話から派生し、入社前後にどのようなフォローが必要か、先輩社員やマネージャーがどのように受け入れるかといった点も相談させていただきました。シーズアンドグロースさんは、当社のことを経営視点でも現場視点でも深く理解してくださっているので、いただいたアドバイスにはとても納得感がありました。

点を線につなげていく組織づくり。

採用における求める人物像の整理をしていくと、一方で現状の組織自体が、“在りたい姿”に向かえているのか、という疑問が浮かび上がってきました。

私たちは元々、「社員を“会社が定めた枠に当てはめて”育成したい」というようなことは考えていなくて、20年以上前から「社員ひとりひとりの個性や能力を尊重して、それぞれのスキルを伸ばし、自由に会社の中で強みを発揮してほしい」という方針で進めてきました。
これまで様々な研修会社さんに依頼し、課題に応じた研修を実施していましたが、一つ一つの研修や施策を独立したものとして捉えてしまっていました。シーズアンドグロースさんとの対話を通じて、採用から内定、入社から育成、さらにマネジメントから退職までをキャリアストーリーとして、設計する必要があると気づいたのです。

そこから、組織全体を巻き込んだ研修を設計させていただくことになりました。

採用課題の流れから、面接官研修をするというのはよくある流れかもしれませんが、組織の中に深く入っていただいて、組織の中核となる若手やマネージャーへの研修など網羅的に設計してくださったのはとても印象的でした。設計をしていただく中でも、私たちがうまく言語化できていない抽象的な課題を、しっかり整理して明確にしてくださいました。社内のフィードバックは厳しくなりがちで、批判的になったり自信をなくさせたりする懸念があるので、第三者の方に適切な指摘をしていただけるのがすごくありがたいところでした。
また、他の研修会社さんでは、既にパッケージ化された研修をカスタマイズして提供するというやり方が多いのではないかと思います。ところが、シーズアンドグロースさんは当社が大切にしている想いや会社の方向性を正しく理解して、それをオーダーメイドで形にしてくださいました。そういったところは、本当に頼れるところですし、他社さんと全く違うところだと思います。

ありがとうございます。シーズアンドグロースとしては、オーダーメイドで提案をするというスタンスを大切にしているので、そう言っていただけると嬉しいです。

一人ひとりがしなやかになり、会社を強くしていく。

当社のコンサルティングに対して、現状感じている効果についてお聞かせください。

まず、採用面では、当社について深く理解した学生さんが入社してくれるようになりました。例えば、当社が目指す姿として「技術者の理想郷」という言葉があります。これについては「完成された、完璧な組織」という誤解を持たれやすいのですが、「完成形はなく、目指し続けるものだ」というメッセージを打ち出したことにより、個々人の主体性が求められることを理解してもらえるようになりました。
組織改革の面でも、研修を通じて社員ひとりひとりがオーナーシップをもって行動するようになってきていると実感しています。これまでは新入社員を迎える姿勢やマネジメント方法などが各自バラバラでしたが、ガイドラインなど形に残るものを制作いただいたおかげで、共通認識が持てるようになったのも成果につながっています。ただ、今は一通り基礎のインプットができたという状態でしかないので、社員の行動が変わることによる成果はこれから出てくるのではないでしょうか。シーズアンドグロースさんには、研修を一過性にしない仕掛けとして、その後の定点観測や参加者への個別フィードバックの機会を持っていただいています。社内でもアクションプランの宣言や成果発表をしたり、別の部署の上司が指導したりと、色々な人を巻き込むことでマンネリ化を防ぎ、研修の効果を高めています。
これからは、社員ひとりひとりの自己実現に対して会社としてどうサポートしていけるのかを考えていきたいと思っています。やや漠然としたテーマですが、そこはシーズアンドグロースさんと一緒に未来を創っていけるという信頼感があります。

今後も全力でご支援させていただきます。本日はありがとうございました！

※本記事は2024年1月時点の情報を基に作成しています。